奈良漬へのこだわり

奈良漬へのこだわり
What's our speciality

奈良漬の由来は遡ること奈良時代。粕漬を嗜む趣あり、すでに保存食として珍重されていた。

奈良漬はそもそも奈良が発祥の地で、ルーツについては古く奈良時代に遡ることができます。中国から仏教とともに日本に渡来し、酒の名産・奈良で中国帰りのお坊さんが漬けたのが発祥とされます。1988年、奈良朝廷の左大臣長屋王(ながやのおう729没)の邸宅跡から出土した3万点の木管の中に粕漬についての記述木片が発見されました。木片には、ウリ・ナスやミヨウガを酒粕に漬けこみ木箱に入れて進物ように用いられたと記されてあります。当時、貴族階級は酒(どぶろく)と粕漬を嗜む趣があり、粕漬は食物のなかで保存食としてまた、香の物として珍重され高級食品であったことがうかがい知れます。その後、粕漬は奈良に訪れる旅人に食され庶民に広く親しまれるようになり、『奈良漬』して一般的に呼ばれるようになりました。特に江戸時代には、将軍徳川家康は奈良漬を大変好み、江戸屋敷まで奈良の糸屋宗仙(漢方医で奈良漬を造る名人)を呼び寄せ奈良漬の製造御用商人として召し抱え、四季を問わず食膳に香の物として食していたと言われております。

取手に奈良漬屋があるのはなぜ?

奈良漬の伝統と名産地としての茨城県南部

奈良漬といえば、誰もが奈良の奈良漬を思い浮かべることでしょう。 では、奈良から遠く離れた関東の取手の地で奈良漬が名産になったのは何故でしょう。その謎をひも解いてみましょう。 先ずは奈良漬のルーツをたどってみると、奈良時代、仏教の伝来とともにインドから瓜が奈良に伝来し、瓜の加工食品として粕漬(奈良漬)が製造されたのがそもそもの始まりです。そして、奈良漬は奈良に訪れる参詣者や旅人に食され名産品として行き渡るようになり、文字通り奈良漬の発祥の地名が品名の所縁になりました。 特に江戸時代、将軍徳川家康は奈良漬を大変好み、江戸屋敷まで奈良漬造りの匠を呼び寄せ召し抱え、四季を問わず香の物として食膳に欠かさず食したと言われています。そして、奈良漬は江戸庶民にも持てはやされ、原料の瓜や胡瓜、茄子なども栽培されるようになりました。

江戸・寛政年間、新六の祖先は造り酒屋を営み、酒つくりに精を出していたが、文政に至って利根川を行き交う高瀬舟の舟運の仕事に切り替え、「河岸の新六」として栄えていました。当時舟運業をしながら、自家製で粕漬けを作り近所に配ったところ美味しいと評判を呼びました。原料となる瓜や胡瓜の野菜が利根川水系に広く栽培され手に入り易く、また造り酒屋の技術を上手に生かし美味しい奈良漬を製造する元となりました。 明治元年、初代田中新六は舟運から鉄道の変化の流れを察知して、舟運の仕事をやめ、自家製で造っていた奈良漬を生業とした「新六の奈良漬」を創業し製造販売を始めました。 明治29年、常磐線が開通してから数年後取手駅では、脚絆巻きに赤帽子の新六専属の販売員がホームから列車の乗車客に「取手名産新六の奈良漬はいかが~」といって販売していた懐かしい光景が戦前まで続き、「取手に奈良漬あり」と知れ渡った由縁でもあります。 そしてその名も『創業明治元年、取手名産 新六の奈良漬』が今もなお、お客様から親しまれています。

奈良漬ができるまで

Processing of Narazuke 蔵人の手を幾度もかけ木の樽・土蔵の中にゆっくりと息づかせてできる自然の風味。「新六」のこだわりは長い間域続いている漬粕の中にある。

新六の奈良漬は瓜,胡瓜、茄子など原料野菜を上質の酒粕とみりん粕、塩と砂糖を使って5回の漬け替え、土蔵の中で時間をかけて発酵を促し熟成させて造ります。 では、べっ甲色した艶やかな瓜の奈良漬が出来るまでについて説明いたします。原料となる瓜は7月の上旬から下旬にかけて、契約農家よりもぎりたての 新鮮な白瓜を仕入れ、二つ割りにし中の種を除去し、水洗いして塩のきいた粕に、浮かし漬けの状態で漬け込みます。(下漬)1ヶ月から半年をかけて発酵熟成させ、奈良漬の基本となる下漬が出来上がります。

次に下漬の塩分を少しずつ抜く作業(中漬)に入ります。この作業は下漬の樽から瓜を一本一本取り出し、粕を入れ替えて別の樽に漬け替えます。続いて中漬と同じ作業を今度は新しい熟成した粕に漬け替えます。(上漬)ここで粕の風味と発酵から生まれた旨味を醸しだします。さらに熟成粕に漬け替え、発酵を促します。そして、熟成の中から自然な甘味と風味を素材に浸透させます。(上漬直し)仕上げの段階では、吟醸粕に砂糖を加え漬け替え、低温熟成させ、発酵の中からまろやかな味のあるシャリシャリとした歯切れのよい奈良漬(特上漬)が出来上がります。すべて手作業で行われます。 出来上がった奈良漬は抜気包装し包みや折詰・樽詰されて商品化され店頭に並びます。 このほか次の奈良漬の種類があります。 胡瓜、茄子、生姜、青瓜、梅、小玉メロン、小玉西瓜、ニンジン、椎茸、ゴボウ蓮根、青パパイヤ、ごぼう、などです。これらの種類の奈良漬は、瓜の製法とほぼ同じ5回漬けの方法で製造されます。 新六の奈良漬は、創業より原材料は全て日本国産のものを使用し、特に茨城県産の素材を使った商品は地場産品として広く親しまれております。 新六の奈良漬の誇りは、一切添加物を使用せず、伝統漬物発酵技術をそのまま現代に伝承していることです。

下漬 関東平野に育った新鮮な瓜・なす・きゅうり・生姜などをよく厳選し、よく洗う。
下漬は、簡単に塩だけでせず、 長い間貯蔵してある塩分のきいた粕の入った木の四斗樽に漬け込み、しっかり目張りの封をする
中漬 数ヶ月後、新しい粕に漬け直して、ゆっくり塩分が抜けるよう漬けておく。
樽付上漬 ミリン粕と酒粕を合わせたものに漬けこみ一定期間寝かせる。
特上漬 さらに吟醸粕に漬け直して、まろみのある味と香り、美しい色つやに仕上げる。

奈良漬と健康について

奈良漬と健康について
About healthy food with Narazuke 奈良漬にはポリフェノールが多く含まれております。また酒粕に含まれる活性ペプチドも数々の結構作用を促してくれます。

漬物は、野菜に含まれている繊維分が多く健康に良いとされております。 特に奈良漬の瓜や胡瓜などは「ポリフェノール」が多く含まれ注目されております。ポリフェノールは、細胞を老化させる活性化酸素を抑える力を持ち抗酸化酵素を有しているため、生活習慣病や老化現象を和らげる性質があると言われています。また、水に溶けやすいため、体内に浸透しやすく、短期間での効果が期待できます。

奈良漬のヤーコン粕漬のヤーコンはインカの昔から伝わる健康野菜として 「オリゴ糖」を多く含み、カロリーも低く整腸作用のある機能性の高い食品です。粕漬にすることで体内に必要な有用成分を活性化させ、さらに健康に役立ちます。 パパイヤ奈良漬の原料である青パパイヤは、健康野菜として色々な料理に使われており、最近では抗ガン効果としても期待されております。特にパパイヤに含まれる成分の酵素としてパーゼ(脂質分解酵素)、プロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)、アミラーゼ(糖質分解酵素)の3大栄養分解酵素のほか、カタラーゼ(活性酵素除去、アルコール分解促進)、トレハラーゼ(免疫力を高める)等があります。それらが疲労回復、体内浄化、栄養吸収、消化促進など健康維持に効果的に働くと云われております。さらに、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ポリフェノール等の栄養素も豊富に含まれ、パパイヤ奈良漬にはそれらの成分が十分生かされております。 さらに、奈良漬造りに欠かすことができない酒粕においても、その中に含まれる活性ペプチドの数々の健康作用(血圧の低下、内臓の活性化、美肌効果)など が知らされてきました。 今まさに、発酵漬物である奈良漬が私たちの健康に関わり貢献し見直されてきております。


【ポリフェノール含有量】 
新六の奈良漬 240mg/100g 
分析所:日本食品機能研究所
分析方法:フォーリン法
分析日時:平成27年4月24日

≪参考≫ 
ブルーベリー  250mg/100g
赤ワイン  230mg/100g